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スワッグの作り方:束ねて吊るすだけのドライフラワー飾り

2026年10月3日 | クリーンアート編集部
バラや白い小花、黄色い花を束ねたドライフラワー

スワッグは、花材を束ねて壁に吊るす飾りです。ドイツ語で「壁飾り」を意味する言葉が語源とされ、ヨーロッパでは玄関や扉に掛けて季節を飾る習慣があります。リースのように土台を用意する必要がなく、花材をまとめて縛るだけで形になるので、ドライフラワーを初めて扱う方にも取りかかりやすいアイテムです。

そのぶん、仕上がりの差は「どの花を、どの順番で、どの長さで重ねるか」に表れます。以下、よくある失敗例も交えながら、形よく仕上げる手順を順に見ていきます。

スワッグとブーケ、リースの違い

ブーケは手に持って正面と上から見るもの、リースは円形の土台に花を挿して全方向から眺めるものです。スワッグは壁に沿って吊るすため、見られるのは片面だけになります。つまり、裏側は平らで構いません。この「片面だけ作ればいい」という点が、作り方のすべてを決めています。

壁に接する面を平らにしておくと、吊るしたときに束が前に倒れず、壁にぴたりと沿います。逆に、ブーケのように丸く組んでしまうと、吊るした瞬間に重い花が手前へ傾き、横から見ると不格好になります。初めて作る方の失敗で一番多いのがこのパターンです。

花材の選び方

スワッグに使う花材は、役割ごとに三つに分けて考えると選びやすくなります。

土台になる長いグリーン

束の一番後ろに置き、全体の長さとシルエットを決める素材です。ユーカリ、ドライのオリーブ、ヒバ、ローズマリーなど、枝が長く葉がしっかりしたものが向いています。ユーカリは乾いても葉が縮れにくく、銀色がかった緑がほかの花の色を引き立てます。

主役の花

束の中央より少し上に置く、目を引く花です。バラ、アジサイ、ケイトウ、ヘリクリサム(ムギワラギク)、千日紅などが扱いやすい花材です。主役は1種類から2種類に絞ると、まとまりが出ます。種類を増やすほど豪華になると思われがちですが、実際には焦点がぼやけ、どこを見せたいのか伝わりにくくなります。

すき間を埋める小花と穂もの

かすみ草、スターチス、ラグラス、小麦、ニゲラの実などです。主役の周りやグリーンとの境目に差し込むと、束の輪郭が柔らかくなります。穂ものは下向きに入れると垂れ下がる動きが出て、壁に掛けたときに自然な印象になります。

生花から自分で乾燥させる場合は、組む前に完全に乾かしておきましょう。半乾きのまま束ねると、内側に湿気がこもってカビの原因になります。乾燥の手順は花の乾燥方法:シリカゲルから自然乾燥までで詳しく解説しています。逆さに吊るす自然乾燥法なら、乾かしている間の姿がそのままスワッグの形に近いので、仕上がりのイメージもつかみやすくなります。

用意する道具

  • 麻ひも、または細いワイヤー:束を縛るためのもの。ワイヤーで固定してから麻ひもを巻くと、緩みにくくなります。
  • 花ばさみ:枝ものを切ることがあるので、刃のしっかりしたものを。
  • リボンや布:結び目を隠し、仕上げの印象を決めます。
  • 吊るし用のひも:束の裏側に輪を作って掛けられるようにします。

作業台には新聞紙や大きめの紙を敷いておくと、こぼれた花びらや葉をまとめて片付けられます。ドライの花材は思った以上に細かいくずが出ます。

スワッグの作り方:手順

  1. 完成の長さを決める:飾る場所の壁を見て、吊るしたときの全長を先に決めます。玄関扉なら扉の幅の三分の一ほど、室内の壁なら周りの家具とのバランスで決めると失敗がありません。
  2. 下葉を落とす:縛る位置より下(手で持つ部分)の葉や小枝をすべて取り除きます。ここに葉が残っていると束が太くなり、きつく縛れません。
  3. 一番長いグリーンを置く:作業台の上に、土台となるグリーンを平らに置きます。このとき作業台に接している面が、壁に接する裏側になります。
  4. 少しずつ短い花材を重ねる:グリーンの上に、少し短くした花材を重ねていきます。後ろほど長く、手前ほど短くなるように段差をつけるのがコツです。手前の花で後ろの花の茎を隠すように重ねると、横から見ても縛り目が見えません。
  5. 主役を置く:束の中ほど、縛る位置より少し下に主役の花を置きます。縛る位置から離しすぎると重心が下がり、吊るしたときに前へ傾きます。
  6. 小花で輪郭を整える:すき間や左右の端に小花や穂ものを差し込み、全体を細長い三角形に近い形に整えます。
  7. 縛る:花材が集まる一点をワイヤーで固く留め、その上から麻ひもを巻きます。茎は乾燥でさらに細くなるので、少しきつめに縛っておきます。
  8. 茎を切りそろえる:縛った位置から下の茎を、好みの長さで斜めに切りそろえます。茎も見える部分なので、短すぎず長すぎず、全長の四分の一ほど残すと落ち着いた印象になります。
  9. リボンと吊るしひもを付ける:結び目をリボンで隠し、裏側に吊るし用の輪を作れば完成です。

形よく仕上げるためのポイント

作業台の上で組む

ブーケのように手に持って組むと、無意識のうちに束が丸くなります。スワッグは最後まで作業台に寝かせたまま組み、ときどき持ち上げて壁に当てて確認すると、片面がきちんと平らになります。

色は三色までに抑える

グリーンを除いて、花の色を三色程度に絞るとまとまりが出ます。ドライフラワーは生花よりも色が落ち着いているため、同系色でまとめても単調になりにくいのが特徴です。白やベージュの小花は、どの色の主役とも合わせやすい調整役になります。

縛る位置は束の上から三分の一

縛る位置が低すぎると上の花材がばらけ、高すぎると下が重くなって前に倒れます。全長の上から三分の一あたりを目安にすると、吊るしたときに束が壁へ寄りかかるように安定します。

飾る場所とお手入れ

ドライフラワーは直射日光と湿気に弱い素材です。日差しの入る窓辺に掛けると、数週間で色が抜けていきます。浴室や台所の近くなど、湿気のこもる場所も避けてください。玄関扉の外側に飾る場合は、雨が直接当たらない場所を選び、雨の日だけ室内に移すと長持ちします。

ほこりがたまったら、ドライヤーの冷風を弱めにして離れた位置から当てると、花を傷めずに落とせます。手で払うと花びらが崩れやすいので注意しましょう。色があせてきたスワッグは、主役の花だけを新しいものに差し替えると、グリーンの土台はそのまま使い続けられます。

季節ごとに花材を入れ替えるのもスワッグの楽しみ方です。秋は実ものや穂もの、冬は針葉樹の枝や松ぼっくりを足すなど、同じ土台でも雰囲気が大きく変わります。季節の花材選びは季節のドライフラワーアレンジメントも参考にしてください。

まとめ

スワッグは「片面だけを作る」「後ろを長く、手前を短く」「縛る位置は上から三分の一」という三つを押さえれば、特別な技術がなくても形になります。最初はユーカリと主役の花一種類、小花一種類の三種類から始めてみてください。少ない花材で組んでみると、重ね方と重心の感覚がつかみやすく、二本目からは花材を増やしても形が崩れにくくなります。